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第8巻「アドリブ旅行…の巻」

2006-12-06 17:00:00 Category : 1~10巻

第8巻はアットホームな巻と呼べるかもしれません。両さんと中川コンビが、いろいろな人の自宅を訪問します。「警察ガルタの巻」では、大原部長の自宅に新年の挨拶に訪れておせち料理を食べつくし、「ひな祭りロックの巻」ではタバコ屋の洋子ちゃんの自宅でひな祭りを楽しみます。
 
しかし、この巻最大の山場は「冬の旅…の巻」で松吉の実家に、両親を訪ねていくシーンでしょう。「まごころ説教!?の巻」「アドリブ旅行…の巻」と、この「冬の旅…の巻」の3作を通じて松吉を描きます。定職に就かず、ちゃらんぽらんな松吉を、両さんが必死で説得。なんとか蕎麦屋に求人を見つけ、真面目に働きだした松吉ですが、その矢先に交通事故でなくなってしまいます。
 
いつも明るい葛飾署も霊安室は暗かった…。両さんは友人として、松吉の遺品を岩手県宮古市の実家の両親に届けるように部長から命じられます。松吉の実家の登場はたった3ページですが、刻々と日が暮れて暗くなっていく情景は、いい意味でこち亀らしくない。暗闇の中で月明かりに照らされて、父親が一人涙をすする影は胸を締めつけるものがあります。駆け足で場面が変わるこち亀ですが、137、8ページはゆっくりと時間が流れます。つげ義春好きの僕は、秋本先生の描く哀愁の話をもっと読みたいと感じた2ページでした。

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